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断鎖

断鎖(Escape)
五條 瑛
4575509329

『プラチナ・ビーズ』で五條作品を初めて読んだときのショックは大きかった。情報を扱う主人公たちの姿、事件の背景に見えた情勢や人の心に、北朝鮮という国について、自分があまりに何も知らないことを恥ずかしく思った。
あれから7年、拉致被害者の帰国という大きな事件を経、世の中の北朝鮮に対する認識・認知度はずいぶん変わってきていると思う。それでもまだ、私たちが知らないこと、本当は知らなくてはいけないことは、まだまだ世界に溢れている。無関心でも許されるわけではない。無知であるうちに、確実に私たちは世界の何かから置いていかれているにちがいない。

この『断鎖』は10作完結予定の「革命」シリーズ第一作。
主人公・亮司は、アジアからの密航者の斡旋をしている組織「学校」で働いている。ある日「学校」は何者かの襲撃を受け、逃亡生活を余儀なくされた亮司は、突然のことに驚きながらも、自分が何も知らなかったことに衝撃を受け、学校について調べ始めた。

五條作品のテーマの一つは「知ること」だと思う。
相手を知る。身の程を知る。自分の置かれた環境を知る。情勢を知る。事件の裏を知る。
表に出されなかった部分にこそ、本当の理由が隠されている。
何が嘘で何が本当かを見極めるためには、知ることは必要不可欠だ。

ああ、しかしなんだかんだ言いつつ、そうやって踏み込んで行ってしまう亮司はちょっと心配な子です。悪ぶってるけど、本当はホントにいい子なんだもの! 騙されていたのにもかかわらず、「自分がもう少し知っていたら事件はもう少しましだったかもしれない」とか思うあたり、アンタ、かわいすぎるから。

――革命を起こさないか、この国に。
美貌の男の、そんな一言にどきりとさせられる。自分は大きなことをやれる器じゃない、と答える亮司に男は微笑む。
「自らの分をわきまえていない奴に大事は務まらない。お前は良くも悪くも、自分という人間の大きさを知っている。限界を承知している。だから、言うんだ」

それにしても、この「革命」シリーズと鉱物シリーズをつなぐ唯一の人物サーシャの存在感の相変わらず大きいこと。両シリーズ合わせて楽しみたい。
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コメント

はじめまして
こんにちは&はじめまして。

私も五條さんの『断鎖』を読みました。
五條さんの作品は、これが初めてだったのですが、ホントに面白くて、
一気に読んでしまいました。
亮司が、本当はいい子、悪い人間になりきれない・・という設定がかなりよかったです。
気分は母親っという感じで心配しながら読んでしまいました。

サーシャは、鉱物シリーズの方にも登場しているのですか・・。
読んでみたいと思います!
では、お邪魔しました。
はじめまして!
コメントありがとうございます~!
『断鎖』よかったですよね。
悪ぶっているけど、根はいい子の亮司、なんだか微笑ましいんですよね。母親!たしかにそんな気分になります(笑)

サーシャは『プラチナ・ビーズ』で衝撃的に登場したんですよ。
あまりのフェロモンの飛ばしっぷりに、いっときは私は彼を「フェロ様」と
身も蓋も無い呼び方をしてました…(名前が伏せられていたので)。
鉱物シリーズも面白いですよ。ぜひ読んでみてくださいませ☆

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