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王国 その1/その2

410383403X王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―
よしもと ばなな
新潮社 2002-08-22

by G-Tools


4103834056王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法
よしもとばなな
新潮社 2004-01-30

by G-Tools


薬草茶をつくる名手であるおばあちゃんの手伝いをしながら山で暮らしていた雫石。山を下りマルタ島に行ったおばあちゃんと別れ、雫石は都会に出た。サボテンを育てながら暮らしていた雫石は、人の持ち物に触れるだけでその人のことがわかるという力を持った占い師・楓と出会い、彼のアシスタントとなる。楓はあまり目が見えない。サングラスをし、慎重で無駄のない動きをした。楓の家の中では、いつでも時は止まる直前の、とても不思議な流れ方をしていた……。

よしもとばななの小説を読むと思い出すことがある。
たとえば、どんなにつらいことがあっても、美味しいものを食べたり自然に触れて感動したりして、人は必ずいつか立ち直ることができるのだということ。
人と人との心地よい触れあいはその人をしあわせにすること。
どんなに忙しくても、自分と向き合う時間をなくしたら人は貧しくなっていくのだということ。
中でも「おいしいもの」の存在というのはよしもとばなな作品にとっては欠かせないような気がする。食べることは力になる。生きるエネルギーみたいなものを、呼び覚ましてくれる。
この作品でも、おばあちゃんと別れて寂しさにうちのめされた雫石が空港でパキラに癒され、うどん屋でカレーうどんを食べて元気を取り戻す、という場面がある。この場面を読んだときに、なによりも私は癒された。

正直なところ、ここに登場する人たちや、こういう形で不思議な力を扱った作品が私は苦手だ。
私には不思議な力もないし、自然や人をそのまま受け入れ愛することもろくにできない。雫石のおばあちゃんや楓のような人のところに行って悩みをうちあけることもない。彼らは自分とは遠い存在で、自分の価値観とも違うような気がする。自分がこの作品にはなじまないような気がして、ときどきひどく居心地の悪い気分にすらなる。
だけど「人を癒す不思議な力」がよくわからなくても、「おいしいものを食べた身体が回復させてくれる生きるエネルギー」ならわかる。大事なのは、そのエネルギーを感じることなんだろうと思う。身体や心が今どういう状態なのかを見つめること。
そういうことの延長線上に、不思議な力による癒しがあるのかなー。
と、思ってみました。

最後に、ドキッとした一文を。
「やりたいと思ったときが、時間のあるときなんだ。
 そういうのをしなくなったら、時間の奴隷になっちゃうよ。
 やりたいと思ったときに、ぱっと手を出さないと届かなくなることがあるんだ。」
    (『王国 その1 アンドロメダ・ハイツ』P111)

なんだか長い話になるみたい。昨年11月には「その3」が発行になってます。読もう。
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最近読み漁り。大好きな作家さん。
大好きな作家さんの一人、よしもとばななさんの「王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法 」を読み終える。雫石(しずくいし)という名の女の子が主人公[:女:]彼女や、周りの人の生き方、考え方、見習わねばなーと思いました。疲れた時や、迷ってる時などに参考にな

コメント

やりたいと思ったときが
時間のあるときなんだ。

っていうのが、すごく「ずしっ」と来ました。
そうなんだよなぁ、
「時間がない、ない」って思ってること自体が時間を無くしてるんだよな、
って最近よく考えるふじたかでした。
コメントありがとうございます!
そう、そうなんですよ。
私も、先の予定にすぐに押し潰されて「今はとても余裕がない」と言って、
やりたいことをよく先延ばしにしちゃうんですよ~。
時間がたつと興味がなくなったり、
逆に時間ができてもやりたいことやらなかったり。

やりたいと思えるなら、時間はあるのかもしれない。
動くことを億劫がらないで楽しんでいきたいな、と思います。

ふじたかさんも頑張ってー!
今年はぜひ遊びましょう!(笑)

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