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精霊の守り人

精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2) 精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
上橋 菜穂子 (2007/03)
新潮社

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体内に水妖の卵を宿し、そのせいで王である父親に命を狙われることになった第二皇子チャグム。チャグムを皇子と知らず助けたことがきっかけで、用心棒としていっしょに旅をすることになった女用心棒バルサ。バルサの昔なじみで薬草師のタンダ。タンダの師匠で呪術師のトロガイ。
登場人物の誰もが魅力的で、力にあふれている。
なかでも幼くしてつらい運命を背負ったチャグムのなんと健気で強いことか。

事実が後世にどう伝えられていくか――政治のなかで歪められたり、祭りや民謡として伝えられたり、という部分が具体的に描かれているのは作者が文化人類学者ということも影響しているのだろう。
変に語りすぎず、話の中で自然にそういったことが語られていくあたり、とてもバランス感覚の優れた人という気がします。話が話として骨太で落ち着いている。

『蒼路の旅人』を先に読んでしまっていたけれど、こういうことだったのかー。
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赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説 赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹 (2006/12/28)
東京創元社

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山陰地方。山脈の奥に住むといわれる「山の人」に置いていかれた万葉は、気のよい夫婦に拾われ、成長した。変わり者で文字も読めない万葉には、未来視の能力があった。万葉は、山の上で製鉄業を営む旧家・赤朽葉家に嫁ぐことになった。それが「わたし」の祖母である――
「千里眼」の祖母、不良として名を馳せたのち少女漫画家として大活躍した母、そしてとりたてて語ることもない「普通」のわたし。
戦中・戦後から高度経済成長、バブル崩壊から平成へと長い時代を経て語られる、女三代の物語。

* *

最初ちょっと怖い話なのかと思いましたが、そんなこともなく、一気に読み終えてしまいました。
大河ともミステリとも違う、不思議な小説。時代ごとの言葉で語られる少女たちの姿。はかなく悲しくも、強い女たち。時代に翻弄され、土地や家に翻弄され、男や運命や…さまざまなものに翻弄され生きた二人の女性と、現代に所在無く立ち尽くす「わたし」の物語。
最後には「わたし」によって、それぞれの死の真相が探られる。
「わたし」こと瞳子の物語は前の二人に比べると少しさびしいくらい地味なのだけれど、瞳子は語り手であり、同時代の人間にとって前時代ほどのドラマがないのはそもそもあたりまえだろう。後世、ほかの誰かに語られることがあったら瞳子の人生もまたドラマチックになるのかもしれない。

「わたしたちは、その時代の人間としてしか生きられないのだろうか。」

すべてはこの一言なんじゃないかと思う。
読み終えて、私が生きている時代はいったいどんな時代なんだろう、とぼんやりでも考えずにはいられない。

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アカネちゃんのなみだの海

アカネちゃんのなみだの海 (児童文学創作シリーズ―モモちゃんとアカネちゃんの本) アカネちゃんのなみだの海 (児童文学創作シリーズ―モモちゃんとアカネちゃんの本)
松谷 みよ子 (1992/04)
講談社

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「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズ読了。全6冊です。
前回感想を書いた「ちいさいモモちゃん」「モモちゃんとプー」以降のできごとを簡単に言うと、モモちゃんが大きくなって、妹のアカネちゃんがうまれて、パパとママが離婚して、パパだけが別のおうちで暮らすことになった、といったところで。

二人ともどんどん大きくなっていく。アカネちゃんはパパがいないことを悲しく思って泣いたり、パパの不在が原因でいじめられたりもする。
離婚家庭で育った子どもたちのさびしさがときおり垣間見えてドキリとする。
…というのは、うちも共働きその後離婚で父だけが家を出て行ったという、モモちゃんとアカネちゃんの家とまるっきり同じパターンの家なんですよね。
子どものころ読んでたとき、最後までは出ていなかったんだけど、それでもこの家のあり方にずいぶん共感していたんだろうなあ。大好きだったもの。

パパがいないことについ、泣いたり不思議がったりしてばかりいたアカネちゃん。最終巻の「マコトくんのとうこうきょひ」では、次のようなエピソードが描かれている。
友だちのマコトくんに家を「女くさい」と言われたアカネちゃんが「うち、パパがいないじゃない。ほんとのこといわれても、かなしいんだからね。」とはっきり言い返し、さらに「ほんとのこといわれても、おこんないことにしたの。」と言う。太っていることをからかわれるのがいやで登校拒否をしかけていたマコトくんが、それを聞いて「ぼくもそうする」「ケーキを二個から一個にしようかな」と言うと、アカネちゃんは「ケーキを一個にしても、パパはかえってこないんだもん」と思う。
父親の不在を事実として受け止め、人に指摘されても怒ったりしないようにしようというアカネちゃんの変化が見てとれる。さらにこのあとアカネちゃんは、ママに「パパとどうしてさよならしたか」知りたいとお願いし、パパに会いにいく。
現実を受け止めて、自分なりに消化していこうという姿勢。それはこの小さいアカネちゃんに訪れた、大きな成長ではないだろうか。


ママとパパが別れた理由は、森のおばあさんいわく「パパはあるく木でママは育つ木」。
最後の最後にパパは亡くなってしまうのだけど、離婚という形が、みんなが自分らしく生きていくために選ばれた最良の選択だったと信じたい。
後記で、やはりこれは松谷さんがご自分の離婚経験を作品に投影して書かれたものだとの記述がありました。子どもたちを、大きな喪失を幼少期に抱えることになった一人の人間として、母親の目であたたかくもまっすぐとらえたこのシリーズは、だからこそ大人にも子どもにも長く読みつがれているんだろうと思います。

モモちゃんとアカネちゃん (児童文学創作シリーズ モモちゃんとアカネちゃんの本 3) モモちゃんとアカネちゃん (児童文学創作シリーズ モモちゃんとアカネちゃんの本 3)
松谷 みよ子 (2000)
講談社

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ちいさいアカネちゃん (児童文学創作シリーズ モモちゃんとアカネちゃんの本 4) ちいさいアカネちゃん (児童文学創作シリーズ モモちゃんとアカネちゃんの本 4)
松谷 みよ子 (2000)
講談社

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アカネちゃんとお客さんのパパ アカネちゃんとお客さんのパパ
松谷 みよ子、伊勢 英子 他 (1983/01)
講談社
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オセロー

2007.10.14/彩の国さいたま芸術劇場
シェイクスピア原作/蜷川幸雄演出/吉田鋼太郎、蒼井優、高橋洋、山口馬木也ほか出演

16世紀のヴェニス。ムーア人の将軍オセロー(吉田鋼太郎)は、若く美しい妻デズデモーナ(蒼井優)を娶った。数々の戦績と軍からの信頼を得ているオセローと、純粋で高潔なデズデモーナはまさに理想的な夫婦。しかし、オセローを恨んでいる部下イアゴー(高橋洋)は、巧みに言葉を操り、オセローの心に嫉妬の炎を灯らせる――。

* * *

オセローのあらすじも知らず観に行ってしまいましたが、役者さんたちの演技力に圧倒されひきつけられ、最後まで楽しめました。
嫉妬の愚かさ、悲しさがストレートに伝わってくる作品。
好人物で優しさにあふれたオセローが妻の不義という猜疑に苦しみながら、狂い、その人間性を失っていってしまう過程は見ていてとてもやりきれないものがありました。あんな嘘にひっかかって、馬鹿!と言いたいけれど、純粋だからこそひっかかってしまったんだろうし、それにイアゴーの言葉がまたものすごく狡猾で、信じざるを得ないようなやりかたなんだ…。
それに人ってああして猜疑や不信にとらわれてしまうと、なかなか冷静にはなれないもの。真実が真実として人の心に届かないことに関しては、本当に悲しいと思うけれど…。

イアゴーの高笑いを見ていて、ときどきデスノートの月を思い出しました。動機の違いこそあれ、身近な人を平気で欺いて、自分への信頼も逆手にとっては高笑いしていた月とイアゴーがなんだかかぶる。
イアゴーの気持ちについてはいろいろ考えたいところ。

それから、なんと言ってもデズデモーナ役の蒼井優ちゃん! とにかくきれいでした。細くてまっすぐで、立っているだけで空気が清浄になる。澄んだ声、立ち居振る舞い、高潔で純粋なデズデモーナそのもの。蜷川演出ってちょっと台詞回しにクセがあるので、ほかの舞台も観てみたいなあ。

山口馬木也さんや馬渕英俚可さんもよかった。
吉田さんはほんとうに逞しくて美しいオセローだった。おじさんでスキンヘッドで、一見美しいとかいうと違和感もあるんだけど、舞台上で堂々としている姿には惚れ惚れ。それでいて、苦悶している姿にときどき客席から笑いが漏れるくらい、恋に落ちた中年男の可愛さがにじみ出ていた…。

そういえば、前半で舞台前方に立ってた柱が一本倒れたんだけど、あれはアクシデントだったのかしら?一度照明が落ちたあと元に戻ってた(笑)

* * *

今回、事前にバタバタしていたのと、当日まで自分自身が行けるかわからない体調だったこともあって、結局一人での鑑賞となってしまいました。ひとつ空席を作ってしまったのが本当に悔やまれます。補助席いくつも出てたし、チケット取れなかった人もいただろうになあ。
申し訳ないことをしてしまった……後悔、反省しきり。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版;序

ヱヴァンゲリヲン新劇場版;序(2007.10.13/新宿ミラノにて)

10年の時を経て再び映画化されたエヴァ。続編ではなく、本放送を焼き直したような感じでしょうか。細部については、本放送をよく覚えていないのでなんとも言えませんが、全部の場面で「あ、あったこんなこと」と思えたので話の展開は変わっていないはず。私大好きでシナリオ集まで買ったはずなのに話全然覚えてないよ。ショック。復習にはちょうどいいな。
話はヤシマ作戦まで。

* * *

えー、内容にはたいして触れてませんがけっこうツッコミ激しいかも。
一応隠しときます。

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9月読了本など

●漫画
『喰いタン<1-7>』(寺沢大介/講談社KCイブニング)
『ONE PIECE<47>』(尾田栄一郎/集英社ジャンプコミックス)
『笑えない理由<1>』(望月花梨/白泉社花とゆめコミックス)
『カラオケバカ一代』(ジョージ朝倉/
『この恋は実らない<2>』(武富智/集英社YJコミックス)
『東方死神』(尾崎かおり/新書館ウィングスコミックス)

●小説
『ちいさいモモちゃん』(松谷みよ子/講談社)
『モモちゃんとプー』(松谷みよ子/講談社)
『モモちゃんとアカネちゃん』(松谷みよ子/講談社)
『No.6 #3』(あさのあつこ/講談社文庫)

●ライブ
くるり ふれあいコンサートツアー(2007.9.8 川口リリア)

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