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一瞬の風になれ(全3巻)

一瞬の風になれ 第一部  --イチニツイテ-- 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
佐藤 多佳子 (2006/08/26)
講談社

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思いいれすぎると感想を書けなくなるたちで、本当に人にすすめたいものに限って「とにかく読んでみて!」しか言えなくなってしまう私なのですが…。
うん、これほんとにそう。よかったです。面白かった。
全3巻と長そうだけど、一気に読める。すいすい読めるけど、得るものは大きいです。

サッカーの天才選手を兄に持つ主人公が、サッカーから陸上に転向するんだけど、そこでもまた幼馴染みの才能を見せつけられ、二人への憧れを胸に陸上に打ち込む、というのが簡単なあらすじ。まあいろいろ、恋や友情やライバルやいろいろあるんですけどね。
あらすじだけだとホントなんでもない、スポーツを題材にした青春小説なんだけど…。

そう、これ、青春小説なんですよ。
青春ってすごい。
そのひとことに尽きる。
「なんでこんなに一生懸命になれるんだ!」「なんでこんなにきらきらしているんだ!」と叫ぶこと多々。
それでも、この主人公・新二のいいところは、一生懸命なんだけど、盲目ってんじゃなくて、節目節目で自分を振り返って、少しずつ場数を踏んで、成長していくんですよ。
髪なんか染めちゃってて、一見いまどきの子なんだけど、なんというか…姿勢がすごくいいの。天才という存在を身近に見ているからか、妙に謙虚だったりもして…。

そして私を毎回理由もなく泣かせたのは、谷口さんとのメールのやりとり。メールひとつにおける気遣いもすごくあたたかくて、いちいち胸が熱くなっちゃって。

とにかく、新二のまなざしがいいんだよなあ。自分を見つめる目。仲間を見つめる目。好きな子を見つめる目。ライバルを見つめる目。それぞれ、真摯で、ひたむきで、やさしくて、厳しい。
なんかすごいよ、人が人を見つめるって。

アラ、『黄色い目の魚』でも同じようなこと書いてますね。はは。

にしても、続きが待てない!と競い合うように読みふけった本はひさしぶり。

一瞬の風になれ 第二部 一瞬の風になれ 第二部
佐藤 多佳子 (2006/09)
講談社
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一瞬の風になれ 第三部 -ドン- 一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
佐藤 多佳子 (2006/10/25)
講談社
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嫌われ松子の一生(DVD)

嫌われ松子の一生 通常版 嫌われ松子の一生 通常版
中谷美紀 (2006/11/17)
アミューズソフトエンタテインメント
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2007/2/17DVD鑑賞。
原作:山田宗樹/監督:中島哲也/キャスト:中谷美紀、伊勢谷友介、瑛太、ほかたくさん

* * *

極彩色の画面の中で繰り広げられる、哀れな松子の一生。不幸、不運の連続と、つかのまの栄光の繰り返し。人生の中に溢れる歌の数々。

あー…人生って難しいなあ。
一身に、一途に人を愛しても、ちゃんと愛してもらえなかったり、ひどく扱われたりすることなんてざらで、いつだって何かを望むたびにどうして手に入らないんだろうって思う――そんなことはたくさん、たくさんある。
けど、松子の場合はレベルが違う…。次々と怒涛のように人生に絶望して、そのたびにまた新たな人生を迎え、そしてまた打ちひしがれる。

松子は不幸だったのか?
それがこの話の根幹に流れているテーマだったんだと思う。
「人にどれだけしてもらったかじゃなくて、人にどれだけしてあげられたか。」
人の幸せはそこにあるんじゃないだろうか、話の合間にそう語られる。
けれどあまのじゃくの私は、そう言われると逆に首をひねってしまう。
そうかな、そうなんだろうか。
幸せなんてどんなレベルの中にだって必ずあって、要はそれを認識できるかどうかってことなんじゃないかな。人にどれだけしてもらっても不幸な人はいっぱいいるし、人にどれだけしてあげられても不幸な人はいっぱいいる。
松子は不幸だったのか?
不幸ではなかったのなら、これは幸せと言えるのだろうか?

人生って一言でくくれるものじゃないんだろうな、やっぱり。
こんなに波乱に満ちた松子の人生でさえ、「不幸」「幸福」なんて一言じゃとてもくくれないよ。
不幸なときも幸福なときもあった。松子は何度だって絶望して、何度だってまた希望を抱いた。それだけの、本当にそれが人生ってことなんじゃないかっていう。


私は松子を好きになれない。どんなに純粋でも、なんだろう、あの「自分のなさ」が、どうにも、彼女に対する肯定的な感情を打ち消してしまう。なんで男に総てをゆだねようとするの…! あんた主体的に動けばそんなに才能にあふれているのに、どうしてそれで身を立てていこうとしないの…! と、時代的なことも忘れて本気で腹が立ってしまう。ああいうふうにはなりたくない、誰かに愛されることばかりを願って生きていくなんて、絶対に嫌だ。それに松子さん、なにげに結構毒舌っていうか、いろいろひどくないですか…不器用だっていってもさ、ちょっといろいろ無神経な言動っていうか…。もう、なんていうか、すごく自分で許しがたいと思っている部分なんですよ、このふたつ。自分にもあるのを知っているから、極力どうにか抑えたり切り捨てたりしたいと思っている部分。
そう思うのに、でも同時に、私は松子を嫌いにはなれない。彼女を嫌いになるということは、自分にとっても大事な何かを否定してしまうということのような気がする。人を愛する気持ち。愛されたいと思う気持ち。ただ一途に、捨て身になれる可能性。打たれ強い夢見る心。


そんな複雑な、映画でした。
是とも否とも言えない。
そして、歌がすごくよかったな。基本的に歌が効果的に使われている映画好きなので。

* * *

この映画の瑛太、すごく好きだなあ。今まであまり瑛太が好き!って思うことなかったけど、この子は好きでした。……たぶん、あのモサーとした容姿がツボだったんだ……前々から言ってますが痩身長躯の男の人のTシャツGパン姿がすごく好きなんです……。
そんでまた龍くんが泣けた……。

僕はかぐや姫

『僕はかぐや姫』
松村栄子・著 福武書店 1991年

* * *

十七歳の女子高生、裕生(ひろみ)。彼女は自らを「僕」と呼ぶ。

十七歳。
何者にもなりたくないと思っていた。透明でありたいと、何にも媚を売りたくないと、妥協したくないと、思っていた。傲慢なほど真剣に一途に、中途半端な理解や同情を憎んだ。それでいて自分が弱くもろく醜くなっていくことに怯え傷ついていた。
この本を読んで、そんな感覚をまざまざと思い出した。忘れてしまっていたんだ、ということを思い知り、それでもまだ形を変えて自分の中にその感覚が残っていることを思い知った。
そう、「僕」はたぶん、私の中にもいたのだ。


「ねえ、どうして千田さんって自分のこと<僕>って言うの? 前から変わってるなと思ってたんだけど」
「そうかな、習慣だからよくわからない」
「男の子になりたかったの?」
「よくわからない。きっと女の子は嫌だったんだと思う」
(略)
「女の子ってことはこっちにおいておくと、どうして<僕>になるの?」
「……さあ。だって、日本語には男女共通の< I >ってないじゃない」
  (部分抜粋)



私、わたくし、あたし、わし、おれ、僕、あたい、麿、朕、余……
いろんな活用形を含めるともっとある。
日本語ほど一人称が多く、しかも使い分けを求められる言語は、なかなかないんじゃないかと思う。
こんなにたくさんあるのに、自分の一人称は選べない。身分や立場、性別で、どれを使うかはほぼ決められている。一人称を決めるのは、自分ではなく社会なのだ。
十七歳の女子が「わたし」というとき、それはすでにたんなる一人称ではなく、女という意味を含んでいる。選択の余地なく与えられる意味や責任、立場、理想。
ここで裕生が選んだ「僕」は、ニュートラルな存在の象徴なのだと思う。何者でもない自分でいるために選んだ一人称。
それでも裕生だって、本当は自分が女であるという現実から逃れられないことを知っていた。十七歳――それはおそらく、「僕」であることが許される最後の歳だったのだろう。


こういうとらえ方が正しいのかどうかわからないけど、…「JUNE」ってきっとこういう感覚の延長線上にあるんじゃないかと思う。最近のボーイズラブとJUNEとの違いはつまりコレで、「僕」小説が面白いか面白くないかというのもたぶん同じことなんだと思う。
何がいいたいのかと言うと、この小説がすごく私のツボだったということですよ…!
数年前、書評ブログをさまよっているときに見かけた本で、すごく気になってたのです。
作品も作者名も、どのブログに書かれていたのかもあやふやになってしまってたんだけど、断片的な記憶を頼りに粘り強く探してたんですよ。たぶんコレだと思う。ああああ、出会えてよかった。見つけられたよ…! でも、もう絶版なんだよね…福武書店の本なので。手元に欲しい……!

1月読了本など

【漫画】
『PLUTO<1-4>』(浦沢直樹/小学館ビッグコミック)
『NANA<1-4>』(矢沢あい/集英社)
『誰にも愛されない』(山田ユギ)
『美味しんぼ<93><96>』(雁屋哲、花咲アキラ/小学館)
『皇国の守護者<4>』(伊藤悠、佐藤大輔/集英社)
『後宮<3>』(海野つなみ/講談社)
『Landreaall<9>』(おがきちか/一迅舎)
『SILVER DIAMOND<10>』(杉浦志保/冬水社)
『OPERA Vol.5』(茜新社)
『CRAFT Vol.31』(大洋図書)

【本】
『朱い熱』(橘紅緒/大洋図書SHYノベルス)
『一瞬の風になれ<3> ドン』(佐藤多佳子/講談社)
『心の調べ』(宮城道雄/河出書房新社)
『宇宙でいちばんあかるい屋根』(野中ともそ/ポプラ社)
『ルリユールおじさん』(いせひでこ/講談社)
『佐賀のがばいばあちゃん』(島田洋七/徳間書店)


【映画】
「RAIN」(DVD)

フライ、ダディ、フライ

フライ,ダディ,フライ フライ,ダディ,フライ
岡田准一 (2005/12/09)
東映

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2007/2/2鑑賞。
公式サイト→http://www.f-d-f.jp/site.html
原作:金城一紀/監督:成島出
キャスト:岡田准一、堤真一、松尾敏伸、須藤元気、ほか

ああ…岡田くんて…なんて綺麗なんだ!(ため息)
話よりもなんだかそんな印象ばかり残ってしまうほど、岡田くんがツボでした…。
タンクトップ姿だったので、腕の綺麗さにただただ見惚れたー。伏し目の表情とか、木の上で読書とか、鷹の舞いとか、なんかいちいち姿がツボに入った。この監督、私の趣味をよくわかってる!
映画館で観たかった…笑

話は、暴力事件の被害者になった愛娘のために、平凡なサラリーマン鈴木一(名前も平凡)が一ヶ月の特訓をし、犯人の高校生(ボクシングチャンピオン)と対決する…というもの。鈴木にトレーニングを指導してくれるのは、高校生の朴舜臣。
反省の色のない犯人に対し、初めは憎しみしかなかった鈴木だが、特訓の中で何度も舜臣に問われる。闘ってどうしたいのか、勝つことにどんな意味があるのか。自分の弱さと向き合うこと、勝利の先にあるもの…。事件に傷ついて病院の外に出られなくなってしまった娘を迎えに行き、すばらしい世界に連れ出してやるため…。

舜臣が特訓中に鈴木に問うたいろいろなことばの意味は、まだ私には理解しきれない部分もあるんだけど…。なんつーかね、なんなんでしょうね、このすがすがしさは。
なにかに打ち込むと本来の目的を忘れてしまったり、目的を強く持ちすぎると自分を見つめることを忘れてしまったりしがちだけど、この作品では、つねに思慮深く自分を見つめることを促してくる。
軽いけど軽くないんだよなぁ。本当に、自分が大切にするものはなにか、って問われているような気がしたよ。
またこの鈴木の娘への愛が泣ける…こんな純粋に娘を愛してくれるもんなのかな、父親って。

話の構成も綺麗だし、空気とか間のとりかたが好き。
原作読んでないので、へんに考えすぎず楽しめました。
でもやっぱり原作読んでみたくなった。今度読んでみよう。


しかし舜臣が心を開き始めてからは、私の目にフィルタがかかっているせいなのか、舜臣がかわいすぎて…! もだえる場面が多くて参りました。
「俺を守ってよ」だけはなんかちょっと…そこまで言わなくても!って思っちゃったな。あるいはもっとさらっとぶっきらぼうに言ってほしかった…。舜臣が弱さと甘えを初めてさらけだす、素敵な場面なんだけど…あまりに無防備に岡田くんが身体を預けるものだから「ヒイイ!」ってなってしまった…そんな自分も恥ずかしくい…うう…。

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