鋼の錬金術師 15
鋼の錬金術師 (15) 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2006-11-22 by G-Tools |
ハガレン、ホントにすごいなあ。どんどんおもしろくなりますね。正直いっときダメかと思った。触れられない問題に、あの兄弟が見ないふりをしている部分がほったらかしにされていることがどうしても耐えられなくて、そこをほったらかしにしていったらこの話は破綻してしまうだろう、とずっと納得いかない感を抱き続けてきた。けれど荒川さんはちゃんとそれをわかっていて、出すべきところで出してくれた。はあー…ごめんなさい、私がせっかちでした。これからも楽しみです。
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大奥 2
大奥 2 (2) よしなが ふみ 白泉社 2006-11-29 by G-Tools |
衝撃。なんかすごすぎて言葉にならない……。踏みにじられるということへの怒りというか、恐れというか、やりきれなさで胸がいっぱいになった。人が人を大事にするとか幸せにするというのは難しい……。
大奥、あまりにおもしろいので、1巻が出たときに妹と母にまで貸してしまったのですが、そしたら母がものすごいハマってしまって、催促のメールを寄越してきましたよ(笑)。伯父が来たときに「すごいおもしろいのよ!」と薦める始末。否定のしようもなかったので、私も一緒になって薦めました。
3巻が楽しみ。怖いけど、楽しみ。
よしながさんの漫画が読める時代に生まれて、本当に幸せだなぁ…。
風に舞いあがるビニールシート
風に舞いあがるビニールシート 森 絵都 文藝春秋 2006-05 by G-Tools |
情熱はいつも同じ場所にあって、同じ温度で燃えているわけではけしてない。
どんなに熱い思いを抱いていてもいつしか薄れたり、そうかと思えば忘れていたころ突然燃え上がったりする。すばらしい結果を生むこともあれば、ひどい失意をもたらすこともある。行き過ぎた情熱は過ちを犯すこともある。
これはそういう情熱のさまざまな姿を描いた短編集だと、私は思う。
どれもすてきな作品ばかりなのだけれど(珠玉の短編集という使い古された決まり文句すら使いたい)、好きなのは「悪ぶった社会人学生である文学青年」とレポート代筆の神と噂される女性との話。ちょっとした問答調のやりとり、少しずつ露呈されていく文学に対する情熱。ひねくれっぷりが面白い。
森絵都さん、わりと作風のパターンやオチが読みやすいという印象だったのですが、この本ではいろんな語り口、さまざまな手法へのアプローチが見られます。専門分野の説明も興味深いし、意欲的な力作揃い。作品中で語られる数々の情熱から、彼女の職人気質がうかがえました。
正直ちょっと食傷気味だったけれど、この本でこれからへの期待が高まりました。
ホタルノヒカリ 1-7
ホタルノヒカリ 1―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (1) ひうら さとる 講談社 2005-02-10 by G-Tools |
「ダ・ヴィンチ」の「次に来る少女漫画」で取り上げられていてつい読み始めてしまった。
27歳、恋を忘れてダラダラ生きるOL(名づけて「干物女」)…という設定が、今の自分にはまってしまい、なんだか痛い思いをしつつの一気読み。
蛍のだらけっぷりが本当にすごい。ある意味リアルなんだけど、少女漫画の主人公としてコレはありなのか? と思ってしまうだらけ具合…。
そんな「素」の姿を知っている同居人の高野部長と、蛍にベタ惚れのかっこいい年下の彼氏、いったいどっちが本当の恋の相手なのか!?
…という話かと思っていたのですが、微妙に違うのかも。
すごーく正直なところ、気のおけない高野部長とくっつくのがいちばん自然なんじゃないの、と思うのです。
いちいちいろんなことを気にして付き合っていくのはあまりにしんどい。私だったらすぐに音をあげてしまいそう。
でも、そうならないのがいいんだよねぇ。高野部長にはずっと、慣れない恋に一生懸命な蛍を叱り飛ばしつつも見守ってくれる、よきアドバイザとしていてほしいなーと思うのでした。
以来、微妙にひうらさとる祭り。すごくなつかしいー。当時私なかよしっ子だったので『レピッシュ!』『月下美人』あたりはホントにリアルタイムで読んでました。レピッシュはどの回から読んだか、ちゃんと覚えてたよ……。チャコのまっすぐな瞳が、すごくうらやましかったり。
ホタルノヒカリもまったりしていて面白いけど、ああいう情熱を持っている漫画もよかったなあ。
レピッシュ! (1)
ひうら さとる
月下美人 (1)
ひうら さとる