スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

紫嵐(Violet Storm)

4575509981紫嵐(Violet Storm)
五條 瑛
双葉社 2005-03

by G-Tools

<革命>シリーズ第二弾(第一弾は【こちら】)。

「革命」というシリーズ名の意味を、じわじわと実感する。
国を亡くし、求めるものを亡くした男・サーシャが、この恵まれた国に「革命」を起こすための、その過程を追っているんだ、このシリーズは。
そう思うとどこか背中がぞわりとする。
日本という国の無関心さ、能天気さ、豊かさの上に成り立っている無神経さ。彼は、それをつきつけようとしている。声高らかに訴えるのではなく、おそらくもっと空恐ろしい手段を使って。
五條作品(鉱物シリーズと革命シリーズ)を読むたびに、自分の無知を恥じ、もっと知らなくては、と思う。それなのに自分の無知加減はまったく変わらないままなのだ。無知への憤りも、日常を過ごすうちにあっという間に忘れ去られていく。

今回の主人公は、カンボジアの監獄収容房から逃亡し、日本で暮らしている「鳩」。過去の記憶はしばしば鳩の心を占め、鳩はいつも殺意と鬱憤を抱えて暮らしていた。ある日ウサ晴らしの喧嘩で仲間が負傷し、連れていった闇医者の診療所で、鳩はすみれという少年に出会う。片目の機能を失い、毛先が灰色で根元が黒という不思議な髪の色をした、小さな少年。澄んだ声と、相反する輝きを持つ二つの目を持った、聡明な少年は言った――「鳩も同志にならない?」。

と、いうわけで、私は今度はカンボジア・タイ情勢についての無知を恥じることになったわけです。うう…。
新宿というけして遠くはない街が舞台であるのにも関わらず、私はそこにこういう他国籍の人がいる、ということすら実感がない。
日本で暮らしていくために、安定を求める彼ら。
安定など手に入らないと思っていた鳩も、少しずつその考え方を変えていく。
私たちがなにげなく手にしている権利を、あんなにまでして欲している人たちは、きっと、想像する以上にたくさんいるのだろうな…。

そしてそして、すみれ…! 
『プラチナ・ビーズ』でサーシャとの出会いが描かれていたあの子どもが、成長してここに登場。興奮してしまう。雑誌で一話目は読んだけど、今またその姿は鮮やか。なんて綺麗な子に育ったんだ……。
前作の主人公・亮司もしっかり登場。

ちょうど文庫で第三巻『心洞』が出たところ! 買いにいかねば。
スポンサーサイト

メタルマクベス

「メタルマクベス」
於・青山劇場 5/28 12:30~
劇団☆新感線
原作・W・シェイクスピア、脚色・宮藤官九郎、演出・いのうえひでのり
出演・内野聖陽、松たか子、森山未來、北村有起哉、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、上條恒彦、ほか


観て来ましたー。
シェイクスピアでクドカンでヘビメタミュージカルで長い。
という程度の前知識しか持ち合わせず、原作のマクベスも読まぬまま、
しかも新感線お初の友だちとだったので、不安半分期待半分にて。

いやあ、しかし、面白かった。よかったー。
1980年代のヘビメタブームと、200年後の未来世界での国盗り争いを結びつけた内容。

設定はハチャメチャなんだけど、筋はたぶん原作そのまま。
でもシェイクスピア独特のくどさがなくてすごく見やすかった。
「面白いけど退屈」なイメージが強かったシェイクスピアのイメージががらりと変わりました。

人間の欲深さ、罪悪感、狂気、復讐心…
そういったものについて、いろいろ考えてしまう。
それはもうほとんど人間の業といってもいいくらい
否定のしようのないものなんだけれど、
すごく悲しいものだなぁと。
自分の犯した罪に苛まれて精神を病んでいく二人の姿は、
自業自得だよ、と軽く言えない鬼気迫るものがあった。
でも、そういう重い話を、こんなにもパワーあふれる演出が
できるのは、新感線のすごいところだと思う。
そしてまたあんな時間の錯綜した内容なのに
器用につなげて作り上げてっちゃうことができるのは、
クドカンならではだと思う。すごいなー。
そのパワーに、元気をもらいましたよ。
四大悲劇なのに異様にテンションあがった(笑)。

役者さんがまたよかったです。
内野聖陽さん、ちょっとイッちゃった感じのランダムスター役がすごいはまってた。
森山未來くん扮するレスポール王子はつねに輝いていた。80年代場面での「元きよし」役のダンスの腕前には舌を巻きました。すげー!
松たか子さんも、舞台で観るのは初めてだったんだけど、すんごい細いし、テンション高い役もよかった。テレビで観てると顔立ちのせいもあって地味な印象だったんですが、けっこう激しい役でもこなしてました。可愛いなぁ!
上條恒彦さんはさすが渋かった!

さりげなく、名前のつけ方が単純なのにひねってあっていい。
1980年代のほうが、マクベスに由来した名前で
2206年のほうが、楽器のメーカーにちなんだ名前。
単純にいくと逆なんだと思うんだけど、
二つの時代をつなぐのに名前も一役買ってるってことか。
細かーいネタが相変わらず多いです。
ヘビメタバンド「メタルマクベス」のPVに轟天が出てたりとか(笑)。

* * *

それにしても、また迷ってしまいました…この劇場何度目よ私? 方向音痴め…。
どうも道を一本間違っていたのに気付かず自信満々で歩き続けた挙句
「なんか間違ったかも…」とウロウロし、開演に遅れてしまいました…うう。ごめん。
休憩は休憩でトイレの水が流れなくなったらしく(みんな二度流しするからだよ…)またまた二幕目の開演に遅れ…
ちゃんと観れなくて残念…。

* * *

そしてなんとこの日、終演後にスペシャルステージがあったのでした。
この日昼公演のみで終了、翌日も休演日だってことで、…う、運がいい。
劇中PVまで流されつつも途中で終わった「リンスはお湯にとかして使え」(すっごいクドカン節だな~これ…)フルコーラスを生演奏。
そのあと森山未來くんが「元きよし」(劇中の役。レコード会社の社長子息で金髪オカッパに紫スーツで演歌を熱唱。ダンスとタップも披露)の衣装で出てきたから歌うのか!?と思ったら、
なんと始まったのは村木仁さん扮する「豚ふとし」オンステージ☆
…なんだか罰ゲームだったらしい。
しっかりPV(?)まで作られていて、びっくりしましたよ。
でもちょっと、森山くんオンステージも観たかったけどね。ざんね~ん。

笑う招き猫

4087460061笑う招き猫
山本 幸久
集英社 2006-01-20

by G-Tools

駆け出しの漫才コンビ「アカコとヒトミ」。
28歳貧乏独身女性二人、夢はカーネギーホールで漫才をすること。テレビに出ておもしろくもない司会をやりたいんじゃない、あたしたちは舞台で人を笑わせたいんだ――。
けれど道のりは前途多難。デビュー舞台での打ち上げで、先輩コンビを殴ってしまったり、出たくないテレビのオーディションを受けることになったり……。
そんな状況の中、次第に二人にはファンが増え始め、それと同時に変化も訪れ初めていた。

* * *

お笑いブームの昨今「テレビに出るより舞台に立ちたい」と言い切る二人の考え方がきわだつ。とはいえテレビの良さや意味、舞台に立つことの難しさも、しっかり書き込まれている。
芸人としてやって行く以上一生離れないだろう影も、とくに後半かなり色濃く出てはいるのだけれど。
芸のレベルを保ち続けること、観てくれる人が増えるにつれて変わってしまった(ような気がする)芸風、それに対する不安と自分たちに対する不信。
環境が変われば、やっぱり変わらずにはいられないんだろうなぁ。
それはきっとどうしようもないことだ。
うまくいかない、不安もたくさんある中、それでも二人であっけらかんと勢いよく立ち向かったり、ときにはひらりとかわしたりする姿はなんだか羨ましささえ感じた。

事務所の社長、マネージャー、事務所の先輩たちなど脇役もキャラが立っている。
中でも素敵なのはアカコの祖母。少々きついけれど美しく、電話の向こうで顔も見えていない相手のことが、まるでその場にいるようにわかるという不思議な力をもっている、魅力的な女性。憧れちゃう。

* * *

ラーメンズの片桐氏の解説につられて買ったのですが、面白かったです。
解説も面白かったです(笑)

かもめ食堂

「かもめ食堂」
於:シネ・アミューズ(渋谷) 14:35~
原作:群ようこ、監督:荻上直子、キャスト:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ほか

映画公式ページ→ http://www.kamome-movie.com/

フィンランドで日本人の女性が始めた食堂のおはなし。

* * *

なんかねぇ…始終涙腺がゆるんでしまって…おかしい場面なのに、笑った拍子にほろっと涙が流れてしまったりしてましたよ。
あれはなんと形容すればいいんだろう。
とても無理のないかたちで、適度な温度で、心の中の柔らかい部分に触れられた感じです。自覚すらしてない部分。
…またわかりにくい例えですみません;
癒し、というのとはまた違う…いやしかし、本来癒しというのはああいうものであるような気もするんですが。
元気ではなく力をもらった感じ。

「人は変わってゆくものですから」
という言葉が印象的だった。
冷たい、と誤解すら受けそうな言葉のようだけど、あれは自分の寂しさより相手の人生を尊重するという、つよさとやさしさであったんだろうなぁ。
人は基本は一人で、そして誰かと触れ合って、ときが来たらまた離れていく。
そういうことから、目をそらさないでいたいなぁ。
向きあって、与えられた貴重な触れ合いの時間を、大事にしていきたいなぁ。

出てくる食べものが全部おいしそうで、見てるうちにお腹が空いちゃったよ!(笑)
おいしいものを食べるよろこび。
好きな人と一緒に、美味しいものを食べる。
たしかに、世界が明日で終わるとしたら、私もそうしたいなあ。
今の私なら、書きたいことも読みたい本も投げすてて、好きな人とのおいしいものを取りそうな気がする(笑)

いい映画でした。すごく魅力的。
全然うまく言えないけど。

不連続世界

ボーイズラブ漫画の感想です。苦手な方はご注意くださいまし。
4877244549不連続世界
トジツキ ハジメ
海王社 2006-05-10

by G-Tools

うわあ、やっぱり好きだ!と悶えました。
これ!この悶々感だよ!

「いつか冷めるんだろう」という確信に近い諦観とか、
「期待なんてするもんじゃない」という絶望感とか、
要所要所に表れるのは、わりと薄暗い感覚なんだけど。
どれもちゃんと、それなりにハッピーエンドなんだよなぁ。

* * *

なんか、BLって全然上手に感想を書けませんよ…。

陽気なギャングが地球を回す

4396332688陽気なギャングが地球を回す
伊坂 幸太郎
祥伝社 2006-02

by G-Tools


おお?
伊坂さんにしては、わりとストレートな話だったような気がします。
しかけが少ないというか。
ほかの小説だと、もっとサプライズが織り込まれていたような印象があるのですけど。
しかし、ゆえに伊坂初心者にはオススメの一冊。だと思います。
読後感もいいし、映画になるのも納得。

他人の嘘がわかる成瀬、演説家で嘘ばかりの響野、動物好きでスリの天才の久遠、精巧な体内時計を持っている雪子。
この話の銀行強盗は、お金に困っているわけでもなく、スリルに飢えているわけでもなく――
なんというか、ある美学のために、ロマンのために銀行強盗を繰り返している。
あいかわらず、伊坂作品に出てくる犯罪者は憎めない。
憎めないけど、理解もできない。
犯罪とはなんだろう、ということをぼんやりと思った。

大人のための文章教室

4061497383大人のための文章教室
清水 義範
講談社 2004-10-19

by G-Tools

「大人のための、文章についての作法や技術や作戦を考えていく教室」。
ふつうに暮らす中で必要とされる文章の書き方について、どうすればうまく書けるのかを考察した本。たとえば手紙だったり、企画書だったり、一歩進んで随筆だったり。

前半は、接続詞や句読点、文の長さやですます調など基礎的なことについてのお話。
後半は、文章を書くにあたっての考え方などのお話。
清水さんの主張はきわめてシンプル。
「とにかくわかりやすく」。
文をこてこて飾るより何より、大事なのは自分がなにを言いたいかを自分で把握し、それを、誰に、どう伝えたいかをはっきりさせること。

…これは…簡単そうだけど、とても難しいことですよ。
一般向けとは言っていますが、求めるレベルは意外と高いと思います。読んで読んで書いて書いて書きまくれ、という結論は、やっぱりふつうに仕事をして暮らしている人にはやや酷でしょう。
でもそれはやはり事実で、文章を書くときにある程度のコツはあるにしても、最終的には「習うより慣れろ」で数をこなすしかないんだと思います。

しかしこの中で非常に衝撃的だったのは「近づいてはいけない文章」という章で紹介されていたのが、「学者の文章」「公用文書」「新聞の文章」の3つだったってことですよ!
う、うわー。ショック。
というのも、仕事を始めてからというもの、私の相手にしている文章はまさにこの3つが中心だったのです…。ひえええ。
そういわれてみればたしかに、その3つには素直に感情を伝えるという目的などないのですよね。これは盲点でした。驚きました。危機感を抱きました。最近は手紙もメールもろくに書かなくなってしまったし、今までの倍くらい訓練しないと…!

そう、私思い至ったのです。
私の文、最近は対象も目的もあいまいになってきているから、こんなにもグダグダなのだわ、ということに。
文章を書くということは想像するということなんだよね。
この文は誰が読むのか、書いたことがどう人に伝わるか、自分はどうしたいのか。ひたすら考えて推敲を重ねるということがやはり文章には欠かせないんだと思う。
気を、ひきしめようと思いました。
言葉は残るから、やっぱり少しでも丁寧に立ち向かっていかないと。

4月読了本とか

【読了本】
『いつかパラソルの下で』(森絵都/角川書店)
『イン・ザ・プール』(奥田英朗/文春文庫)
『まほろ駅前多田便利軒』(三浦しをん/文藝春秋)
『国語教科書の思想』(石原千秋/ちくま新書)
『大人のための文章教室』(清水義範/講談社現代新書)

【漫画】
『ONE PIECE<41>』(尾田栄一郎/集英社)
『フラワー・オブ・ライフ<3>』(よしながふみ/新書館)
『ゆびのわものがたり<2>』(小野塚カホリ/祥伝社)
『桜蘭高校ホスト部<1>』(葉鳥ビスコ/白泉社)
『溺れるナイフ<3>』(ジョージ朝倉/講談社)
『高校デビュー<6>』(河原和音/集英社)

【その他】
ライブ
4/29 つばきフリーライブ(上野公園水上音楽堂)

* * *

ビブロス倒産のニュースであけた4月。

最近は、唐突に新書を読んだりしました。
面白かったので感想はあとで書きたいです。
ようやく漫画を読めるようになってきました。
デスノ映画化に向け、すっかり止まっていた続きを読もうかと。
小畑さんの画集も楽しみ!

Template Designed by DW99

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。