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幸福な食卓

4062126737幸福な食卓
瀬尾 まいこ
講談社 2004-11-20

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「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。
中一の春休み最後の日、佐和子の父は朝食の席で突然そう言い出した。

長年勤めていた教師を辞め、大学受験を目指し浪人生活を始める父。
家を出て一人暮らしをしながら、家事をするために家に通う母。
天才と言われながら進学せず農業をして暮らす兄。
そして中学生の佐和子。
少し変わった形の家族の日常を温かく描きながら、傷を負った心をやさしく見つめる。

瀬尾さんの文章はさらさらと読みやすい。そのわりにどんと重い過去が織り込まれていたりして、読みながらどきっとすることが多い。
この話も、自由気ままにやりたいことをやっているかのように見える家族が皆一つの事件の後遺症にさらされていたり、最後の最後に大きな悲しみが物語を覆ったりする。
うわあ、と目を覆いたくなりながらも、周囲の皆の飄々とした暮らしぶり、ささやかで必死な気遣いに救われる。

家族とは形でありながら、形ではないのだと思う。
理想の形をしていない家族でも、互いを思いやってつながることができる。
どんな重さを抱えても、温かい絆によって人は救われていくはずだ。
それが、瀬尾さんの小説のテーマなのかな。


ただ、瀬尾さんの小説は温かすぎて、やさしすぎて、きれいすぎて、私にはときどき、物足りない。
人間って、もっとどろどろでぐちゃぐちゃで、やさしさだけでは救われない部分があるんじゃないかと思うのです。この話にそれがないとは言わないけれど、やっぱり私はそこを読みたいと思ってしまうんですよね。
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ロミオとジュリエット(蜷川版)【舞台中継】

ロミオとジュリエット
WOWOWで放送されたもの。舞台は2004年12月~2005年1月公演。
原作・シェイクスピア、演出・蜷川幸雄、出演・藤原竜也、鈴木杏、ほか

杏ちゃんが可愛い……! という一言に尽きます。
くるっくるの髪が、なんだかハリウッド女優さんのようで(これ褒め言葉)、白いドレスがとても綺麗で。セリフがちょっと、おっつかないのかなあと思う部分もありましたが、始終見惚れてました(笑)。
あと藤原竜也はやはり艶かしい……。ベッドシーンの後の半裸に普通に目が釘付け。程好く細く、筋肉ついてて、ドキドキしますよ。
若者二人の恋物語、ということで、恥ずかしいセリフや場面がたくさん。こっちが照れるわ。

有名な話だけど、こうして観るとまた全然印象が違いますね。
なんというか、まどろっこしい……。
シェイクスピア劇を観るたびに、日本人には合わないのではないかと思えてならない。
これはまるきり好みの問題だと思うんですが、蜷川さんの舞台もしかり。私は日本の話のほうが好きです。「近代能楽集」は秀逸だったなあ。予告で入ってた「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」も面白そうー。

図書館の水脈

4840110689図書館の水脈
竹内 真
メディアファクトリー 2004-04

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図書館に行ったときに発見し、「図書館の本かな?」と思ってぱらぱらとめくってみたら、読んだばかりの『海辺のカフカ』をめぐる話というので興味をひかれ借りてきたもの。エッセイかなにかかと思ったらビックリ、小説でした。(たしかに913棚に置いてあったけれども…)

カフカ少年と同じように、図書館に泊まった経験を持つ作家・甲村氏。『海辺のカフカ』を手に取り「こりゃ参った」と思いつつも、彼は本に導かれるように旅に出た。
美容師をしているナズナと彼氏のワタル。本好きのナズナはワタルにたくさんの本を手渡し、感想を語り合う。春樹ファンであるナズナは、ワタルに『海辺のカフカ』をなぞって旅に出ようと提案する。
二つの目線で順番に物語が紡がれていく。三人は『海辺のカフカ』にひきつけられ向かった四国で出会い、さらにもう一つの出会いを迎える。

本を介した出会いとつながりが軽快に、ときたまドラマチックに描かれていく。読みやすくてさわやかな物語。
心から物語を楽しんで、それが人との出会いをひきよせる。「本と私」ではなく、「人と私」の間に「本」がある、という感じ。こんなふうに、自然に本の話を通じて人と関わりを深めていけたら素敵だなあ、と思った。
本や図書館、村上春樹が好きな人におすすめ。でもきっと、図書館も行かない本も読まない春樹も知らない、そんな人でも楽しく読めると思います。

『粗忽拳銃』や『カレーライフ』でも気になっていた作家さんでした。
好印象だったので他作もチェックしたい。

村上春樹、河合隼雄に会いに行く

4101001456村上春樹、河合隼雄に会いにいく
河合 隼雄 村上 春樹
新潮社 1998-12

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作家・村上春樹が精神科医・河合隼雄と行った対談を本にしたもの。
発行が平成8年ということで、もう10年も前の本になるわけだけれど、今読んでも興味深い部分はたくさんありました。

主な柱は「物語」と「人間の心」(癒し?)、社会と作品との関わり、かなあ。
ちょうど『ねじまき鳥クロニクル』を書き終え、『アンダーグラウンド』の取材中の頃、ということで、地下鉄サリン事件やねじまき鳥が話題に上っている。出た直後に読んでいれば、同時代性という部分で頷ける部分が多かったかもしれない。でもまあ、10年を経た今だからこそ、私は『ねじまき鳥~』を読了しているわけだし、あの頃の事件や社会や自分というものをある程度冷静に振り返ることが出来るようになっているわけだから、読んだタイミングとしては悪くないと思う。『海辺のカフカ』という作品でさらなる躍進を遂げた村上春樹の、変化の兆しがここで確認できる。
『ねじまき鳥~』も『海辺のカフカ』も、私にとってはやや難解で、荒削りではあっても『風の歌を聴け』や『ノルウェイの森』のほうが好きだなあと思っていたのだけれど、村上さんの言葉に触れたことで、またこの難解だった二作を読み返してみようかなあ、と思うようになった。

私は作家の考えていること、とりわけどうして作家になったのか、作家として自分の作品や読者とどうやって距離を取っているか、ということに非常に興味がある。
この対談集は興味の範囲に沿っていて、とても興味深かった。

ハチミツとクローバー(8) ※ネタバレ

4088652975ハチミツとクローバー(8)
羽海野 チカ
集英社 2005-08-19

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初回特典カルタ付きを買いました。そっちは1200円。
かるた……素敵! このパッケージがたまらんちん!
いつか、ハチクロ合宿と称して、皆で自転車で自分探しの旅に出て観覧車に乗ってコロッケにマヨネーズつけて食べたりして、寝る前にハチクロアニメを観て「ぶっはー! 恥ずかしい!」と囃したてた後、かるたで盛り上がりたい。思わずそんな夢を抱いてしまうかるたであった。

8巻の内容は、一言で言うと、片思いの終焉。だと思います。
真山→リカさん、そして山田→真山 の片思い。

長い長い、片思いの鎖がほどけていく様相を見せ始めた。
ラストの山田のモノローグ、せつなかったなあ……。
「救われたくなんかなかった/ずっと真山を想って泣いてたかった」
執着ってのは恋の一つの側面だと思うけど、執着は「自分のため」なんだよね。山田の一番底んとこにも、自分のため」の執着がある。好きでい続けることで思い知らせたい、そんな復讐にも似た醜さギリギリの塊がもう彼女の心の中には長いこと、あったんだ。そんな苦しい痛い思いでも、恋をしているうちは宝なんだ。苦しいのに、それが一番やさしく光るなんて残酷だ…。

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伝統の現在Ⅲ「怪談・木霊女房/魚説教」

伝統の現在Ⅲ「怪談・木霊女房」「魚説教」
於・俳優座劇場 8/11 19:00~
M&O plays プロデュース
作・演出・竹内銃一郎、出演・茂山正邦、茂山宗彦、茂山逸平、広岡由里子

第一部「怪談・木霊女房」、第二部 レクチャートーク、第三部「狂言 魚説教」の三部で構成。

第一部は狂言の要素を取り入れた新作演劇。
夫の弟と通じ、夫を殺してしまった女房・おたま。しかし夫は死んだあとも、夜になると足繁くおたまを訪ねてくる。おかげで客が寄りつかなくなり、商売(旅館だったかしら…)はあがったり。おたまはどうにか夫を成仏させようと画策する。偶然やってきた旅の僧に、霊退治を依頼するおたまだが……。
とにかく見やすくて、笑いっぱなしでした!
おたまのしたたかな女っぷり、男たちの間抜けっぷりが引き立っていた。とにかく男性陣が可愛くてせつない。最後は皆して女から逃げるのだ!(画期的)

第二部・レクチャートークは宗彦さん。関西弁がすでに漫談のようで、またしても笑った、笑った。次の狂言の説明をしてくださったのです。

第三部「狂言 魚説教」
漁師をやめて坊さんになった男が、旅の道すがら出会った男に「説教をしてほしい」と頼まれる。が、男は漁師だったので当然お経など知らない。そこでひたすら魚介類の名前を並べてどうにかお経をよんでみるが……。
先にあらすじを知っておいてよかった(笑)。やはりわからない部分もあるのですが、しかしちゃんとおかしい所はおかしいとわかりました。
なんと言っても、お経。「ナンマイダブ、ナンマイダブ」を「ナマダコ、ナマダコ」というなんて! 予想外かつ強引すぎて(でもそれっぽくて)爆笑いたしました。

狂言がこんなにおかしいものだとは。狂言が喜劇だということは知っていましたが、体験すると目からウロコでした。

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七子と七生

瀬尾まいこさんの『卵の緒』収載の「7's bllod」がドラマ化されるんだそうですよ。七子が蒼井優ちゃんだって…! うわー、楽しみです。見れるかわからんけど。NHKで8/11夜。→詳細はこちら

4838713886卵の緒
瀬尾 まいこ
マガジンハウス 2002-11

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活字倶楽部 05夏号

B000ABM32W活字倶楽部 2005夏号 [雑誌]
雑草社 2005-07-25

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買ったと報告(誰に…)するのをすっかり忘れておりました。
本をあまり読まなくなっても、一時ほど熟読しなくなっても、それでも「買わない」という選択肢のない雑誌です。
なんだかんだで2号から買っている(ちょいと欠号はありますが)。
通称「かつくら」。活字スキー(やや腐女子寄り)にひそかに人気のこの雑誌を通して、いろんな人との出会いがあったなぁ…。

今回特集は恩田陸、福井晴敏、佐藤友哉、ナルニア国ものがたり、ほか。
どれもこれも気にはなっていたものの、途中で止まったり長さにおののいて未読だったりしていた作品群。これを機にいろいろ読み返そうかな。
福井さんは一作も読んだことがないので、一度ちゃんと読みたい。

テーマ投稿のコーナーが実はとてもお気に入りです。
今回のテーマは「海」。最初に頭に浮かんだのは須和雪里「いつか地球が海になる日」なんだけど、高村薫や五條瑛の作品や、狂骨の夢、次から次へといろいろ浮かんできました。ああ、小野不由美作品も結構海の印象が強いなあ。作品そのもの、と言われるとちょっと悩みますが。純文にもいい作品がありそうだ。
海ってきっとたくさんの人が心ひかれるモチーフなんでしょうねー。
あー、次は投稿しちゃおうかな。うずうず。
「名シーン名セリフ」も大好き。

あ、あとHOTウェイブの『おれの墓で踊れ』がすごい気になります。

発見。角川ブックカバー

20050801002109


夏の角川文庫、ブックカバープレゼントフェアに早速応募したところ、来ました!
ケロロブックカバーが、我が家に到着☆

か、かわいい~。
でも、これ、ビニル製だし、あまり日常的には使えないかも…。
なにを今更、って感じではあるんですが。

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